片頭痛薬 トリプタン系片頭痛薬の効果、速さ、強さ、副作用の比較 薬をわかりやすくザックリ解説(薬剤師が教える薬の全て)
トリプタン系片頭痛治療薬
エルゴタミン製剤片頭痛治療薬
クリアミン
ピペラジン系片頭痛治療薬
ミグシス
片頭痛の痛みの治療には、4種類の頭痛薬が主に使われています。
中等度以上の片頭痛への効果が期待できるのは、トリプタン系片頭痛薬です。
トリプタン系片頭痛薬は5種類あります。
トリプタン系片頭痛治療薬
イミグラン(スマトリプタン)
レルパックス(エレトリプタン)
マクサルト(リザトリプタン)
アマージ(ナラトリプタン)
片頭痛の原因は、三又神経血管説が有力です。
メカニズムとしては、
脳の血管が拡張して、頭の中で最も大きな神経である三又神経が圧迫される
↓
圧迫刺激を受けた三又神経から、痛みの原因物質が出て、片頭痛を引き起こす
と考えられています。
この脳の血管を拡張させる原因の一つにセロトニンの過剰な放出が考えられています。
トリプタン系片頭痛治療薬には、
- 脳にあるセロトニン受容体に働いて、拡張した血管を収縮させる作用
- 拡張した脳の血管周囲の炎症を取る作用
の他の頭痛薬にない2種類の作用を持っています。
トリプタン系片頭痛治療薬の服用のタイミングは
片頭痛が起こってから速やかに服用するのがベストです。
トリプタン系片頭痛治療薬は、
片頭痛が起こる前に飲んでも予防効果はありません。
その理由は、トリプタン系片頭痛治療薬は、
速く効く代わりに早く効果がなくなる特徴があるからです。
そのため、トリプタン系片頭痛治療薬を片頭痛予防のために服用しても
片頭痛が起こったころにはトリプタン系片頭痛治療薬の効果が弱くなっているためです。
あと、トリプタン系片頭痛治療薬は薬物乱用頭痛の原因になることもあるので、
を飲んだ後は、2時間以上間隔を空ける。
アマージを飲んだ後は、4時間以上間隔を空ける。
トリプタン系片頭痛治療薬の中で、長く効くのが、
レルパックス、アマージで
片頭痛の再発予防効果も期待できます。
トリプタン系片頭痛治療薬の中で、速く効くのが
ゾーミッグはイミグランの改良版だが、効果が高い分、副作用も強いです。
効果の速さは、注射剤>点鼻薬>錠剤の順です。
トリプタン系片頭痛治療薬の副作用は主に、
息苦しさ、吐き気、眠気などです。
トリプタン系片頭痛治療薬同士は、併用禁忌で認められていませんので
別のトリプタン系片頭痛治療薬に切り替える場合は、
24時間以上空けてから、服用します。
トリプタン系片頭痛治療薬の必要な知識
- 片頭痛の原因の一つは、セロトニンの過剰な放出。
- トリプタン系片頭痛治療薬は、脳のセロトニンの放出を減らし、拡張した脳の血管を収縮させて、片頭痛の痛みを和らげる。
- トリプタン系片頭痛治療薬は、片頭痛が起こった時に、速やかに飲む。
- トリプタン系片頭痛治療薬は、予防のために、服用することは推奨されていない。
- イミグラン、ゾーミッグ、マクサルトは片頭痛発作に速く効く。
- レルパックス、アマージは、片頭痛発作に、速さは普通だが、効き目が長いため、片頭痛の再発を抑制する効果が期待できる。